地名から読み解く歴史

台風通過ですが、すっきり夏空はまだ帰ってきていませんね。

暑いのは好きではないのですが、元気がでる青空は好きな若狭坊です。


今日、お客様に聞かれたこと。

「蘇洞門」の由来は何ですか??

DSC_0685~3

蘇洞門は、若狭小浜を代表する景勝地☆

遊覧船で大小の奇岩洞窟を巡っていただけます。


で・・・

由来はわからない(笑)

ただ、江戸時代の書物のほとんどは「外面(そとも)」と書いている。
外海に面した場所ということです。

蘇洞門。
おそらく江戸時代中ごろ以降に、文人がその姿から雅号をつけたのでしょう。

「蘇りの洞門」ですからねぇ~♪

そして、近代観光化される中で定着していった。
のだと思っています。

もちろん正式に研究していないのでわかりません。
中世以前に、意味をもって存在していたかもしれませんから。
そして、場所的な意味を後付けして「外面」とあらわしていた可能性もあるから。
蘇洞門の「蘇」に古代からの意味があるかもしれないから。
江戸時代の文人が深い洞察研究のもと、復活させた字かもしれないから。

地名は多くを語ってくれます。
それだけに歴史研究には扱いやすくもあり、かつ推量の域をでない妄想にもなってしまいます。

肝に銘じないといけません。

小浜近隣の場合、大字(現在の区名)は意外と古代の事象を物語ってくれるものが多いと、
漠然と思っています。

もちろん例外もあります。
府中から西津、雲浜、小浜のあたりの地名は、どれだけ遡っても古代末です。
なぜかって?
単純に開発がおのずとその時代だからです(笑)
いまでも遠敷から海に向かって走れば時代時代の海岸線を感じ取ることができます。
考古学の成果やボーリング調査でも明らかとなっています。

一方小字は、中世以降の生活に根差した意味合いを探すときに重宝します。

で・・・

もとに戻り、地名研究は要注意です。
蘇洞門のように、音を残し、漢字だけ変わっていくものもあれば・・・
音に訛りが出ていく中で変化していくものもあれば・・・
意味なくコロッと地名全体を変えてしまうものもあれば・・・
新しい歴史的意味合いをもって変わってしまうものなどなど・・・

平成の大合併の自治体名変化に大きく出ていましたよね。

だから、単純に現在の地名だけで歴史を読み解こうとすることはできません。



私の住む地域の大字は「相生」。

これは近代に入ってつけられた新しい地名です。
古代末から江戸時代までは、窪谷村であり桂木村です。
須恵野とも呼ばれていました。焼き物の郷ですから。

ではなぜ相生?
これを読み解かなければなりません。

古代からあったのか?(資料にはまったく登場しない)

単なる吉祥・合併吉祥の意味をもってつけたのか?
(相生の松や相老なのか)

深い考察のもと、意味ある吉祥なのか?
(信仰や五行に則っているのか)

かなり深いです。
これだけで一つの論文が書けます(笑)

地名は紆余曲折を経て、常に変化していると思う疑念を忘れてはいけません。
時代時代の歴史的、地理的事象を読み解く力が必要となります。


地名で歴史を語るとき。

文献であり、地形地理であり、考古学であり、民俗学であり、信仰であり・・・
すべてを網羅した研究を進めないと深くを語ることができません。

でも地域の歴史を知ろうとした時。

地名は何かを物語ってくれます。

おもしろいです。

みなさまの住む地名に思いを馳せると、先祖の心が見えてくるかもしれませんよ。


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プロフィール

若狭坊

Author:若狭坊
1970年生まれ。奈良大学史学科卒業。当時からの専門は中近世考古学、中近世流通史、中近世都市史。
と書くと難しい(^O^)
現在の専門は仲間と行う歴史を活かしたまちづくり。
だが、実は修験にめざめた山伏なのでアール。

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