朝鉾の神事

ゴールデンウィークも後半。

若狭おばまは至るところで祭り囃子が聞こえます。

大太鼓に雲浜獅子、神楽、王の舞などなど。

五穀豊穣をお祈りしています。



さて、

その中を、5月3日の早朝から調査・映像記録保存したのが

「朝鉾神事」

4月20日に調査した口開け講からの流れで、講元だった当主が
烏帽子姿で取り仕切ります。

口開講の記事はこちら ⇒ 口開け講

朝6時に重要文化財妙楽寺本堂横の六所神社に野代区戸主がお参りされます。

DSC_0444.jpg

それぞれは、スーツですが胸ポケットに扇子と「苦木」という若葉をさし、足元は草履です。

薬師堂前に準備された神饌をみると・・・

DSC_0441.jpg

その主役は「小豆飯」です。

小浜の古い記録をみると、多くの神饌に小豆飯や小豆粥が登場するのですが、
現在の小豆飯のほとんどは赤飯形態のものになっています。
ここの小豆飯は鏡餅型に盛った飯の上に小豆を乗せています。
ドームケーキのような形態。
おもしろいです。

六所神社前で住職の般若心経と祝詞の後に、お神酒とともにふるまわれました。

その後、本堂前に烏帽子姿の当人を囲むように車座になります。

DSC_0445.jpg

そして当主が地面に扇子を広げ、若葉をちぎって置きます。
種まきの様子を模しているそう。

そして鉾をもち邪を払う所作。

DSC_0446.jpg

「朝鉾にやぁ~ 駒立て並べ」と当主が唱えると

一同が「げに何駒や何駒をや あしげ毛の御駒を・・・」
と一同が続けて、地面の扇子に葉を落としていきます。

おもしろいですね☆

鉾の所作は近隣に残る「王の舞」を彷彿させます。
鉾と馬と烏帽子姿は中世の祭礼を彷彿させます。
苦木の若葉を種まきに模すというのは春祭りらしい行事です。

でも・・・

若狭坊が気になったのは六所明神。

神社の札をみると、慶安3年(1650)創建で・・・

DSC_0442.jpg

六所は「熊野・金峯山・白山・春日・八幡・龍神」

おおっ~。まさに修験道ですな☆


と思い、帰って江戸時代の『若狭郡県誌』(1693頃)をひも解くと・・・

六所は「伊勢・加茂・春日・愛宕・遠敷下宮(若狭姫神社)など」と書いてある。

???

どこかで変わっていますね。
確かに郡県誌の方が一般的な中世チックな匂いがします(笑)

ここに修験道の濃い信仰が江戸時代頃に流入したようなイメージですね。


ちなみに、本堂での神事(神仏習合)が終わると、里宮の厳島神社に向かい
神社では神主にバトンタッチされ、祝詞の後に同様の朝鉾の神事があります。

その途中で2か所、妙楽寺住職が導師をつとめて参加者が般若心経をあげる遥拝の地があるのですが。

DSC_0447.jpg

前住職の時には祝詞・真言もあったようですが、今は般若心経のみでした。
ちょっと残念。

ちなみにその場というのは、
岩屋山妙楽寺の根本垂迹地の「岩屋(多田ヶ岳)」方面と。
本堂正面にある山上の「白山(シラヤマ)権現」。

遥拝南無南無です☆

いよいよ修験道ですな。


ここ野代区は江戸時代から多田ヶ岳を神体とする行者講が盛んであった地域。
山上には野代区の方の奉献である神変大菩薩石像があります。


おもしろい発見でした。


高野山真言宗の妙楽寺とその里の野代区。

ここにも多田を神体とする神仏習合が根ざしています。


古代から引き継がれていたものを江戸時代に見つめ直しているのですね。

ここには宗派にとらわれずに古儀を模索するという
江戸時代初期の妙楽寺住職の心意気もあるのではないでしょうか?


前住職が亡くなられ、もう数年。
6日には晋山式を迎えるということで、ご本尊からお手付きの綱がだされ、
本堂前には角塔婆も準備されていました。

ご住職と区民により、いつまでも大切に守り伝えられてほしい。

そんな素朴な行事に出会えた朝でした。


PS.その後はイベントホール食文化館で一日。
   なかなか切り替えができないものです(笑)


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プロフィール

若狭坊

Author:若狭坊
1970年生まれ。奈良大学史学科卒業。当時からの専門は中近世考古学、中近世流通史、中近世都市史。
と書くと難しい(^O^)
現在の専門は仲間と行う歴史を活かしたまちづくり。
だが、実は修験にめざめた山伏なのでアール。

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